さて、気候の穏やかな静岡もいよいよ寒さが厳しくなりました。こんな寒い日は・・・
そうです、糊炊きにかぎります!
墨仁堂では、毎年大寒の日の前後に「古糊(ふるのり)」を炊きます。
古糊とは、普段使っている沈糊(じんのり)と呼ばれる小麦粉澱粉糊を約10年間甕の中でねかせたものの事で、
表具の修復に無くてはならないものです。
私打場は古糊炊きを初めて経験しましたが、全身が悲鳴をあげていました。
いつもより少し多めの糊を火にかけるのですがびっくりするほど重く、最初に焦がしてしまいました・・・。
けれど失敗から得るものがあり、気合を入れ直した結果、綺麗な糊を甕いっぱいに作ることが出来ました!
10年後、いい古糊になってたくさんの作品に関われますように!
※ちなみに、瓶は信楽焼のものを使用しています。瓶の下部が細くなっているので
地震等で転倒しないように、水色の深型バケツに入れて保管しています。
10年間の保存期間中も、瓶はバケツの中で転倒防止を施されて
墨仁堂の縁の下の糊庫に寝かされています。