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墨仁堂のブログ

株式会社墨仁堂のブログです。 工房での日常を皆さまにお届けします。

25 1月

古糊を仕込みました

大変遅くなりましたが今年初ブログです。今年もどうぞよろしくお願い致します!
さて、気候の穏やかな静岡もいよいよ寒さが厳しくなりました。こんな寒い日は・・・

そうです、糊炊きにかぎります!
糊

墨仁堂では、毎年大寒の日の前後に「古糊(ふるのり)」を炊きます。
古糊とは、普段使っている沈糊(じんのり)と呼ばれる小麦粉澱粉糊を約10年間甕の中でねかせたものの事で、
表具の修復に無くてはならないものです。

私打場は古糊炊きを初めて経験しましたが、全身が悲鳴をあげていました。
いつもより少し多めの糊を火にかけるのですがびっくりするほど重く、最初に焦がしてしまいました・・・。
けれど失敗から得るものがあり、気合を入れ直した結果、綺麗な糊を甕いっぱいに作ることが出来ました!

10年後、いい古糊になってたくさんの作品に関われますように!
糊3
※ちなみに、瓶は信楽焼のものを使用しています。瓶の下部が細くなっているので
地震等で転倒しないように、水色の深型バケツに入れて保管しています。
10年間の保存期間中も、瓶はバケツの中で転倒防止を施されて
墨仁堂の縁の下の糊庫に寝かされています。


28 12月

年末の御挨拶

今年も残り3日となりました。
全国的にこの冬は雪が多いようですね。皆様のお住まいの地域ではいかがでしょうか?

さて、墨仁堂では24日に大掃除を終えました。普段気になっていても行き届かなかった場所が綺麗になり、清々しい気持ちで新年を迎えられそうです!
尚、墨仁堂の年始の営業開始日は1月7日です。

それでは皆様寒い日が続きますが体調等にお気を付けて、よいお年をお迎えください。
今年も1年ありがとうございました!

1 12月

あっという間に

師走になりました!急に寒さも増したように感じます。

先週末の11/30(金)は京都で催された定期研修会にて、文化財とは何か、他工房の修復など為になるお話を聞く事が出来ました。
中でも自分にとって印象深かったのが織物の羅についてのお話で、一つ一つの繊細な工程は驚きの連続でした!

今年も残り一ヶ月、気を引き締めていきたいと思います!
25 11月

文化庁長官表彰のご報告

初めまして、撫場に代わりましてブログ担当させて頂きます打場京子(ウチバ ケイコ)と申します。

さて、既に御存知の方も居られるかと思いますが、大変喜ばしいニュースが届きましたので御報告させて頂きます!

弊社代表取締役
山口敏和(聰太郎)が文化庁長官表彰を受けることとなりました。
同表彰は、文化活動に優れた成果を示し、我が国の文化の振興に貢献した個人・団体に対し、その功績をたたえ文化庁長官が表彰するもので、平成元年から行われています。今回の表彰ではほかに、女優の藤村志保さんらが表彰されます。
表彰式は
126日、文化庁で行われます。


受賞理由 
 
40年に亘り文化財の修理に従事した。
 昭和62年に静岡県焼津市に文化財専門の修理工房として「山口墨仁堂」を設立し、その後静岡市葵区に移転して現在に至る。装潢技術について、すべての材料、技術や形態に造形が深く、その知識と経験が、現代では非常に貴重なものと評価された。また、伝統的な技術のみならず科学的材料の研究やその復元にも熱意を持って取り組むとともに、後進の指導にも熱意を持って当たっている。災害から文化財を守るための「NPO文化財を守る会」への活動支援も評価された。



(長らくお休みしておりましたブログの更新も再開いたします。よろしくお願いします!)

23 5月

道具紹介 丸包丁

GWが明けて数日が立ちました。
みなさまは連休を如何過ごされましたでしょうか?
撫場はふらっと自転車で散策に出掛け、気付くと山の麓まで行っておりました!
知らない土地の開拓はいろいろな発見があり、なかなか面白いものです。


さて、連休中は少しずつではありますが仕事に使う丸包丁を家で研いでいました。
【丸包丁-まるぼうちょう】とは和紙や裂を裁断する時に用いる道具です。


丸包丁




目が粗めの砥石(といし)と目の細かい砥石で研いで手入れをしますが、
きちんと手入れすれば力を入れなくてもスッと切れるようになります。

ご主人や先輩達の丸包丁は、何年、何十年と使い込まれた分
新しい物と比べ大きさが一回りも二回りも違います。


まだまだ上手く研げず苦戦していますが、早く自分の手に馴染むよう、たくさん活用していこうと思います。

丸包丁のケースは自分の持っている裂を使用して作っています。

25 4月

道具紹介 棒絵具

絵画や書跡の修復工程の中には補彩という作業があります。
補彩とは本紙に施した補修の紙や絹が目立たないように彩色を加えることです。
今回はその補彩に使われる主な絵具の棒絵具を紹介します。


棒絵具


棒絵具は日本画の顔料の一つで、微粒子の顔料を棒状に固めたものです
左から洋藍、洋紅、本藍です。


まだ自分は色の微妙な調節加減がなかなか掴めませんが、
基本的に本藍(青)、洋紅(赤)、ガンボージ(黄色の顔料)の3色と墨があれば、
なんと!ほとんどの色は作れてしまいます。


棒絵具は水を付けた指や皿に擦り付けると色が出ます。
膠で溶く岩絵具や水干絵具などと比べると手軽に使用出来るので、
これから日本画を始めようという方にもお勧めの道具です。

20 4月

道具紹介 竹べら

先日竹べらを制作したので紹介したいと思います。


竹べらは折り目をきめたり、筋をつけたり、仮張りから
紙を剥がすなど多様に用いることの出来る道具です。
使い込む程しなやかになっていきます。


DSC_0350


竹を割るところから始まり、切り出しナイフで削って
形にしていきましたが、慣れない作業と竹の硬さには四苦八苦しました。。
画像左2つの最後の仕上げはご主人にして頂きました!
自分が苦戦していたことを短時間で、素早く綺麗に!…さすがです!

初めて自分で作った道具と思うと、感慨深いものがあります。
13 4月

新年度になりました

こんにちは。
本日よりこのブログを担当させて頂く、新人表具師の撫場 京子(なでばけいこ)です。
この度はフルのりお先輩からバトンを引き継ぐこととなりました。
先輩に続き、墨仁堂での仕事や日々の話などを書いていこうと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします!


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さて、先日は先輩方とお花見に行ってきました。
天気も良く桜も満開!周りの雰囲気も和やかで良い花見でした。

桜・・・新年度の始まりに相応しいですね!
気持ちを新たに頑張ろうという気持ちになりました。
31 1月

竜爪中学校 校外学習

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先日、竜爪中学校二年生の子達が校外学習でインタビューにやってきました!
「伝統を継承しつつ時代に対応するには」をテーマに
静岡の伝統文化、産業に携わる方々にインタビューしてまわる授業とのことです。

みなさん、とてもイキイキしていて熱心に仕事場を見学したり、質問をされていました。

こういう若い方が仕事場を見学にきてくれるのは大変嬉しいことです。
少しでも私達の存在を知っていただき、伝統を守るということはどういうことかを考えていただけたら幸いです。
17 1月

企画展「表具の不思議展」のお知らせ

表具 ブログ

「表具の不思議展」

期 間  平成24年1月21日(土)~2月26日(日)
場 所  フェルケール博物館 http://www.suzuyo.co.jp/suzuyo/verkehr/
開 館  9:30~16:30
休館日 月曜


タイトルのとおり表具に関わる不思議とともに表具の技術についての展覧会です。
当社から材料や道具などを提供しております。是非お越しください。

1月21日初日には、国宝修理装潢師連盟 岡興造理事長の講演会「装潢師の仕事」がございます。
人数は50名、参加費は無料です。要申込なのでお早めにどうぞ。

また2月11日(土)には「古文書修理体験講座」もございます。
講師はNPO文化財を守る会で、こちらは人数20名、参加費は無料で要申込となっております。
(対象、高校生以上)



株式会社 墨仁堂
静岡市葵区大岩1丁目4-4
電話 054-248-0117
FAX 054-248-0171

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